犯人当てだよ 解決編

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

解決編です。

 

長い前置きを読まされても腹が立つだけだと思うので先にリンクを貼っておきます。

『見えない緑』の冒険解決編.pdf - Google ドライブ

 

今日はこの辺にしといてあげまーす。

 

 

 

 

怖い話をします。

僕にとって犯人当ては、「読者に解答可能な問題」という感じです。なので論理パズルだろうが高校数学だろうが解答可能ならば大体犯人当てになります。小説であるとかないとか、面白いとか面白くないとかは全く関係ありません。解けるか解けないかだけです。

それを踏まえたうえで、では理想的な犯人当ては何か? と問われると、

「犯人は一人だけ。次の容疑者の中に犯人がいる。 容疑者:山田 一体誰が犯人か?」

という味も素っ気も本文もないどうしようもない挑戦状だけの犯人当てがそれにあたるだろうなあと答えます。犯人は一人、容疑者は山田ただ一人、だから犯人は山田である。

どうしてこうなってしまうのかというと、話せば長くなるので諸々割愛しますが、読者に開示される情報が増えれば増えるほど、解釈の余地が増えれば増えるほど、その犯人当ては解答不能な不完全なものになっていくと思っているからです。読者は作者とは違う人間なので作者が思っているようには文章を読みません。書いた側が自明だと思っていても読者にとってはそうでないなんてことは日常茶飯事でしょう。こう思うのは単純に僕が書くのが下手だからというのもありますが……。

ピヨ

そうやってネガティブに考えてるのにずっと犯人当て(自分の定義から言えば犯人当てに近いもの)を書いてしまう。単純に楽しいからですね。パズル部分を考えるのも、読者をこちらが想定している解答に誘導するのも、ここまで書いて飽きたのでどこかで直接聞いてください。

ピヨ

 

ところで、皆さんは僕の犯人当てを読んだので、恐らく僕の犯人当ての癖が分かったことでしょう。よって「幸福の王子の冒険」も解くことができるでしょう。公開したのはこれが目的でした。

非実在探偵小説研究会17号買ってね。

 

以下は蛇足のネタバレです

 

 

 

「封陀尼島殺人事件」について

雨に対してあらかじめ傘を用意できた人間、つまり天気予報を聞けた人間が犯人だというロジックが使われていますが、サークルで発表した際は雨とか関係なく普段から傘を持ち歩いている人がいるでしょと穴を突かれました。実際、そのサークルには傘と帽子を常に持ち歩いているホワイダニットの鬼(先輩)がいました。

 

「『見えない緑』の冒険」について

犯人が分かるから犯人が分かるシリーズ第二弾です。第一弾と第三弾が存在しました。第三弾は森川智喜先生のとある作品とネタの方向性が被ってるという指摘がありましたね……。

日の光が入らない部屋にあるにもかかわらず『見えない緑』が緑色に見えたことから、それは表面が黒く塗りつぶされていない未完成のものだった、というのがこちらの想定したルートですが、ちょっと見方を変えれば実は屋敷はガラス張りだったとも推理できてしまうわけですね。一応想定ルートへ向かえるように伏線は張ってありますが、その伏線の直前にミスリードを誘う言葉を配置したために道しるべになっていなかったりします。ここまでで集まった材料からどう推理すれば解答できるのか、と考えるのが多分一番手っ取り早いでしょう。犯人当て例会時もこの手段を使って解答を導き出した同期がいました。例会時は挑戦状が盛り上がりのピークになってるとの指摘もありました。反論の言葉はないです。仰向けです、すみませんでした……。

本当の時系列:アドレー殺し→州羅溺殺し→萩原視点

犯人当てだよ 問題編

Ten Days' Wonderですね。

というわけで犯人当てです。

 

ひとつは以前も公開したことがある「封陀尼島殺人事件」。

もとは高二(2014)の大晦日、友人に出した問題です。

同志社ミステリ研究会(DMS)の会誌にも載せたりしましたが、穴の存在を指摘された愉快な思い出があります。

おまけフーダニット.pdf - Google ドライブ

 

もうひとつは「『見えない緑』の冒険」。

大学三回生時のDMS冬季合宿で行った犯人当て例会のために書いたものです。色々と恥ずかしい感じになってますね。

穴の存在を指摘された愉快な思い出がありましたが、同志社ミステリ研究会の会誌にも載せました。

なお、こちらの解決編はGW後半頃公開予定です。

それまでは何となく推理をしてみてください。

犯人当て例会時はおよそ二~三割ほどの正答率だったのできっといい感じに解けるはずです。解けると思って頂けると助かります。ちょっとだけ捻じれてます。

『見えない緑』の冒険問題編.pdf - Google ドライブ

 

あと、5/6にある第二十八回文学フリマ東京において頒布される『非実在探偵小説研究会十七号』に性懲りもなくまた犯人当てを書いてます。

幸福の王子の冒険」というタイトルです。内容は直球そのままの飾り気が薄い犯人当てで、きっと宣伝のあらすじを書くのに困っただろうなと思いました。

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大根ではないです。

 

今回古いのを読み返してみて、毎度毎度同じ構造の話をやっていることに気づいてしまいました。今後気を付けます。

そんな感じでーす。